2022年、日本中がコロナの影に覆われていた。そんな中私は不謹慎にも胸を躍らせていた。
政府が行う旅行支援を使ってちょっといいビジネスホテルに泊まり、平日にお友達(おもちゃ)とホテルに泊まる計画を企ていたのである。
自宅でのおひとり遊びよりも好きなのであるが、いつもと異なる場所で、気分を変えて楽しみたかった。
これはまさに観光業への貢献だと思えば、旦那への背徳感も少し薄れるものだろう。我ながら妙案だ。
仕事をフレックスで切り上げ、おやつと夕食の買い物に出かけた。
外食する裕著な時間はない。おひとり活動を楽しむひとときをできるだけ長く味わいたいのだ。
チェックインの時間15時ちょうどに受付に向かい、手続きを済ませた。
この時間帯のホテル受付はさすがに静かだった。おそらく15時からチェックインするような暇なビジネスマンは日本にいないのだろう。
今回選んだホテルは、平日であっても1泊1万円以上かかる、私にとっては贅沢なホテルだった。上層階には大浴場があり、露天風呂もついている。おひとり遊びのためだけに利用する客は私の他に恐らくいないだろう。
部屋に入るとキングサイズのベッドが目に飛び込んだ。部屋は18m²。1 on 1位のバスケならできそうな広さだ。
四面ある壁の1面が窓ガラスになっており、町の景色が一望できた。夜はまたネオンの夜景が美しいのであろう。そのネオンの中でおひとり様を楽しむことを想像し、思わず笑みがこぼれた。
さっそくお友達のエナジーチャージ(充電)し、おひとり遊びの準備に入る。必要物品を揃え、衛生管理も怠らない。
きっと、この高さでは、全裸で歩いても、歩行者には見られていないだろう。
そう思い、私は軽くシャワーを浴び、バスローブに身を包んだ。カーテンはもちろん閉じなかった。
さぁ、これからお楽しみの始まりである。
大きな窓の横の椅子に腰を掛け、私はおひとり遊びをはじめた。
上層階でのおひとり遊びはまるで空中で舞っているような感覚に包まれる。
開放的になり、バスローブも徐々にはだけていった。
思わず、普段あまり出さない声が漏れた。
今日は自分の声を心配することもない。
まだ16時。ビジネスホテルにはまだ早すぎる時間だ。
行為中に高みから地上を眺めると、忙しく働くサラリーマンや、女子高生の集団、コンビニ前でひとところに集まる若者たちが見えた。そんな彼らを見ながら、私は快楽の渦に埋没していった。
彼らも、頭上にこんな恥ずかしい行為に興じるおばさんが存在するなんて、思いもしないだろう。そんなことを想像するとさらに興奮した。
一通りのおひとり遊びが終了し、部屋でシャワーを軽く浴び、運動の後の空腹を軽食で満たした。
あまり満腹になってしまうと、血糖値の上昇で眠気がくる。こんな素敵な時間、寝てしまったらもったいないのである。
しばらくは読書をしながらゆっくりした過ごし、またムラムラしてきたら、ふたたびお友達と遊んだ。
就寝前には大浴場へ向かい、たくさん私の欲望につきあってくれた身体を労わった。
浴室には私しかいなかったので、露天風呂から見える夜のネオンを独り占めすることができた。一瞬露天風呂でおひとり遊びってありか??なんて想像したが、さすがに、ここでは公共の場。
私にも薄っぺらいが、モラルはある。
部屋に戻り、キングサイズのベッドに横になった。
素晴らしい一日がもう終わりつつある現実に、深い寂しさが募ったが、
快楽の疲れも手伝って、たちまち夢の中に沈んでいった。
翌朝、早起きしてホテルの周りを軽やかにジョギングし、その後再び露天風呂に足を運んだ。
昨日とはまるで変って、健全なスタートだった。
贅沢なモーニングをのんびり楽しんだ後、
部屋に戻り、もう一度、最後のおひとり遊びを心ゆくまで堪能した。
そして、あっという間にチェックアウトの時間が訪れた。
今回一番私が伝えたかったのは、おひとり遊びは場所を選ぶようで選ばないということだ。
お友達一人、(人によっては2人)そこにいれば、どこでも楽しめるのである。
法律とモラルさえを守れば、遊べる場所は多岐に渡る。
おいしいご飯や効果なブランドの服。もちろん自分を慰めてくれるだろう。
しかし私にとっていいホテルに泊まり、おひとり遊びに興じるが、最上級のすばらしい自分の慰め方だと実感できた。
今回はリッチなビジネスホテルに泊まったが、またお金が貯まったら別のところで遊んだ話をぜひ、この場所で報告したいと思う。
そして、私の雑文につきあってくださり、ありがとうございました。